「このまま会社にい続けて、自分のキャリアは伸びるのか?」
「もっと収入を上げたい、でも転職より自由な働き方はないだろうか?」
そんな風に感じたことがある現役ネットワークエンジニアの方は多いのではないでしょうか。
フリーランスという働き方は、会社に縛られずスキルを活かして自由に働ける一方で、「案件が取れるのか?」「失敗しないか?」といった不安もつきまといます。
本記事では、会社員のネットワークエンジニアがフリーランスになるための具体的なステップを、体験談を交えて丁寧に解説します。
退職のタイミング、エージェントの使い方、失業手当の扱い、開業届まで網羅しているので、ぜひ独立準備の参考にしてください。
ステップ①:まずはフリーランスエージェントにスキル相談
独立を考えたら、最初にやるべきは「スキルの棚卸しと市場価値の確認」です。
具体的には、フリーランス専門エージェントに登録して、自分が現在どのくらいの単価で、どんな案件に参画できるのかを見極めましょう。
▶ なぜスキルチェックが必要なのか?
会社員として働いていると、自分のスキルがどれだけ市場で通用するのかが見えづらくなります。
「現場の作業がこなせている=市場価値が高い」とは限らず、案件の単価はスキルのアピール力や経験の見せ方次第で大きく変わります。
エージェントでは客観的に「現在のスキルがフリーランスでも評価されるか?」を見極めてくれます。
いきなり独立しても、案件が取れなければ生活が成り立ちません。そのため、まずはフリーランス専門のエージェントに相談し、今のスキルセットで対応可能な案件があるかを確認するのが安全です。
▶ 相談だけでもOK。まずは登録して面談
営業力や人脈に自信がない場合は、フリーランス専門エージェントの利用が効果的です。希望条件を明確に伝えることで、最適な案件に出会える確率が高まります。
登録・面談は無料で、今すぐ独立する予定がなくても問題ありません。「数ヶ月後に独立したい」といった相談にも丁寧に対応してくれます。
IT求人 ナビ フリーランス
IT求人ナビは、IT系フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスです。18年以上の支援実績を持ち、特に**基本設計フェーズ以上の経験者(20〜50代)**を対象に、高単価かつ継続的な案件紹介を得意としています。
<特徴>
- AIによる自動マッチングで最適な案件を配信
希望に合った案件がタイムリーにメールで届きます。 - 全国展開でフルリモート対応も可能
関東中心のサポートに加え、地方在住でも参画しやすい体制。 - 業界トップクラスの高報酬&継続支援
案件切れを防ぐ継続支援とキャリア相談が強みです。
ギークスジョブ
ギークスジョブは、常駐型フリーランスエンジニア向けの案件紹介サービスです。20年以上の業界実績と19,000名以上の登録者を持ち、信頼性と案件数の多さが魅力です。
<特徴>
- 業界20年超の実績と豊富な案件網
長年の運営実績で、多様な企業との取引があり、独自案件の紹介も可能。 - 専任担当による手厚いサポート
案件探し〜参画後まで、キャリアや状況に応じた専任のサポート体制が整っています。 - 柔軟な働き方に対応
「週3日〜OK」「リモート案件」「常駐案件」など、働き方に合わせた案件選びが可能です。
▶ チェックされる主なスキル・経験
- Cisco、FortiGate、Juniperなどの機器経験
- 設計~構築、運用保守の対応フェーズ
- 顧客対応や要件定義の経験
- CCNA/CCNPなどの資格の有無(ただし実務重視)
案件の多くは「即戦力」が前提ですが、エージェントは希望条件に合う案件をマッチングしてくれるので、過度な不安は不要です。
▶ フリーランスエージェントを使うメリットとは?
フリーランスになるにあたって、エージェントを活用するかどうかは悩むポイントかもしれません。
しかし、特にネットワークエンジニアのようなインフラ系の職種では、エージェントの活用が大きな支えとなります。
メリット①:営業活動を代行してくれる
フリーランスの課題の一つが「営業力」です。
技術には自信があっても、営業・契約交渉・案件探しまで一人でこなすのは大変です。
エージェントを使えば、以下のような業務をすべて代行してくれます:
- 自分に合った案件の提案
- 面談の日程調整
- 契約書の確認・締結
- 稼働中のフォローアップ
メリット②:単価の相場観がわかる
ネットワークエンジニアの案件単価は、スキル・対応フェーズ・勤務地・稼働条件などにより大きく変わります。
エージェントを通じて案件を確認することで、自分の市場価値を把握でき、適切な単価で契約を結べるようになります。また、エージェントによっては直請け案件(クライアントと直接契約)が多く、マージンが少ない分、高単価が狙えることも。
メリット③:面談対策や職務経歴書の添削をしてくれる
面談に慣れていない方や、職務経歴書をうまく書けないという方でも大丈夫です。
多くのエージェントは、職務経歴書の書き方や自己PRのアドバイス、案件ごとの面談対策まで手厚くサポートしてくれます。
メリット④:契約トラブルを防げる
初めてのフリーランスでは、準委任契約の内容や瑕疵責任、納期のトラブルなど、契約に関するリスクもあります。
エージェント経由であれば、契約内容が整理されており、法務チェック済の安心できる契約書で参画できるのも大きな利点です。
メリット⑤:福利厚生が受けられるケースも
レバテックフリーランスやPE-BANKなどでは、以下のようなフリーランス向けの福利厚生サービスも用意されています:
- 健康診断の割引
- 所得補償保険の紹介
- 税務相談・確定申告支援
- コワーキングスペース割引など
「会社を辞めて不安」という方でも、こうした制度を通じて安心感を得られます。
このように、エージェントを活用することで、案件獲得の効率化と精神的な安心感の両方が得られるため、特に独立直後には非常におすすめです。
ステップ②:退職時期を決めて準備を始める
エージェントとの相談で「独立できそう」と感じたら、次は退職時期を決めて逆算で準備します。
ここでの注意点は、収入が途切れないようにすることと、社会保険や税金面で損をしないことです。
▶ 案件開始予定日から逆算
フリーランス案件の多くは「面談後、最短で翌週、翌月から開始」となるため、案件が決まりそうなタイミングを見て退職日を設定します。
予めエージェントに相談しておけば、参画時期を見越して面談を調整してくれます。
例えば7月からフリーランスとして案件に参画したいなら
- 6月末に退職したい旨を、4~5月の段階で会社に伝え、退職届を提出する。
- 5月の内に引継ぎなどを済ませ、可能な限り6月は有給消化を行う。
- 6月の有給消化の内にフリーランス案件の面談を受け、7月開始の案件獲得を目指す。
▶ 社会保険や住民税の手続きも視野に
退職すると、以下の対応が必要になります:
- 国民健康保険(または任意継続)
- 国民年金への切替
- 住民税の一括請求(6月~翌5月分)
退職月や案件開始月をずらすことで、保険料の負担が軽くなる場合もあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。
▶ 退職を言い出しづらい方は「退職代行」も視野に
会社との関係性があまり良くない場合や、退職を言い出しづらいと感じる方も少なくありません。
そうした場合は、退職代行サービスを活用するのも一つの方法です。
「モームリ」は、“もう無理”な職場からの脱出をサポートする退職代行サービス。
弁護士監修のもと、法令に則った適正業務と、安心感のある透明な運営体制を強みとしています。
<特徴>
- 弁護士監修で安心の運営体制
法的トラブルの心配なく、安心して任せられます。 - 労働組合と提携で“交渉可能”
有給消化や未払い給与など、会社側との交渉も対応可能です。 - 365日24時間・即日対応
深夜や休日でもすぐに相談・実行ができ、緊急時も安心です。 - 何度でも無料相談OK
退職や働き方についての相談が回数・時間ともに無制限です。 - 後払いにも対応(1ヶ月以内)
お金の心配があっても、今すぐ利用できる柔軟な支払い制度。 - 万が一退職できなかった場合は全額返金保証
「辞めたいけど言い出せない…」と悩んで行動が止まってしまう前に、こうしたサービスも選択肢に入れておくと、前向きに準備が進めやすくなります。
ステップ③:退職後すぐに案件に参画しない場合は失業手当を検討
「一度リフレッシュしたい」「準備期間を取りたい」など、退職後すぐに案件に入らないケースでは、雇用保険の失業手当の受給も選択肢になります。
▶ 失業手当の受給条件
- 雇用保険に12ヶ月以上加入している
- ハローワークに求職申請している
- フリーランスとしての収入がないこと
▶ 受給金額と期間の目安
- 支給額:退職前の給与の50~80%程度
- 支給期間:90~150日(自己都合退職)
案件を受ける予定が明確にあるなら、無理に失業給付を狙わずに事業開始に進んだほうがトータルで得になることもあります。
ステップ④:案件に参画が決まったら開業届を提出
エージェント経由で案件に参画することが決まったら、フリーランスとしての事業開始の準備を整える段階に入ります。その際に検討すべきなのが「開業届」の提出です。
▶ 実は開業届の提出は義務ではない
フリーランスとして働くにあたって、開業届を出さなければ仕事ができないということはありません。
税務署に届け出をしなくても、収入が発生すれば「事業所得」または「雑所得」として確定申告を行うことになります。
つまり、開業届はあくまで任意提出です。
しかし、提出することで得られる税務面のメリットが非常に大きいため、基本的には出しておくべきと言えます。
▶ 開業届を出す最大のメリットは「青色申告」が使えること
開業届を提出すると、同時に「青色申告承認申請書」を出すことで、節税効果の高い青色申告が可能になります。
これにより、フリーランスとしての収入に対して、さまざまな優遇措置が受けられます。
▶ 青色申告と白色申告の違い【簡単比較表】
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
---|---|---|
控除額 | 最大65万円(簡易簿記なら10万円) | 控除なし |
帳簿形式 | 複式簿記(or簡易簿記) | 単式簿記でOK |
赤字の繰越 | 3年間繰り越せる | 不可 |
家族への給与の経費化 | 条件を満たせば可能(専従者給与) | 原則不可 |
提出に必要な書類 | 開業届+青色申告承認申請書 | 特になし |
ポイント:
- 「特別控除(最大65万円)」のインパクトは非常に大きく、所得税・住民税の節税につながります。
- 会計ソフト(freeeやマネーフォワード)を使えば、複式簿記も簡単に対応可能。
- 赤字を翌年以降に繰り越せる点も、事業初期には重要です。
▶ 提出方法は意外と簡単。無料ツールも活用可能
開業届と青色申告承認申請書は、以下の方法で提出できます:
- 窓口提出:最寄りの税務署に直接持参
- 郵送提出:書類を印刷して郵送
- オンライン提出(e-Tax):マイナンバーカード+対応ソフトが必要
情報を入力するだけで、必要書類を自動で作ってくれるので、初心者でも安心です。
▶ 開業届を出すベストなタイミング
基本的には、案件参画日あたりで提出しておくとスムーズです。
青色申告承認申請書は「事業開始から2ヶ月以内」が提出期限のため、遅れるとその年は白色申告しかできないという事態になります。
そのため、案件開始日が決まった時点で提出しておくのがベストです。
▶ 開業届を出さない場合の注意点
開業届を出さずに活動すると、以下のような制約があります:
- 青色申告ができず、節税の機会を逃す
- 屋号付き口座や屋号入り請求書が作れない(信頼性に影響)
- 補助金・助成金などの制度の申請対象外になることがある
▶ まとめ:迷ったら開業届は出しておくべき
開業届は義務ではありませんが、出しておくことで得られる税務的・事業的メリットが非常に大きいのが現実です。
- 青色申告による節税が可能に
- 事業の信頼性向上(屋号や専用口座の運用)
- フリーランス向け制度の活用がしやすくなる
フリーランスとして本格的に活動するのであれば、開業届の提出は「やらない理由がない」と言えるほど重要なステップです。
まとめ:フリーランス転向には準備と情報収集がカギ
ネットワークエンジニアとしてのスキルを活かして、フリーランスとして独立することは、十分に現実的な選択肢です。
ただし、会社を辞めるタイミングや開業手続き、案件獲得の流れなど、事前準備を怠るとリスクもあります。
本記事のポイントをおさらいすると:
- まずはエージェントに相談し、自分のスキルで案件があるか確認
- 案件開始のタイミングに合わせて、退職日と準備スケジュールを設定
- 休養期間があるなら失業手当の制度も検討
- 案件参画が決まったら開業届を出し、個人事業主として正式に活動開始
不安がある場合は、いきなり独立せず「エージェントに相談だけしておく」ことから始めるのも十分な一歩です。
自分に合った働き方を実現するために、今から少しずつ準備を進めていきましょう。
コメント